【栄】新ブランド ”YES” について

店長のハヤシです。

只今店頭にて会期を延長している HIROKI MASUZAKI が手掛ける”GIFTED”、”YES”による2ブランドの展示会。

今回のblogでは彼が満を持して発表した新ブランド”YES”についてわたしなりに魅力を伝えたいと思います。

(告知のblogはこちらからご覧いただけます。)

 

 

 

YESというジュエリーブランド、その名の由来は広義における「肯定」を意味します。

ではYESとはどの様なブランドなのか。

それを今展の、ある素材を用いたアイテムから紐解くことにしたいと思います。

 

 

※新作の鉄を用いた指輪「Iron Plate Ring K18」

 

その素材とはHIROKI MASUZAKI のアイコンとなる「鉄」です。

鉄とは科学反応の酸化を起こすことで錆びが生じます。

それは工業的な目線で言えば「経年劣化」であり、多くの製品にとって大敵と言えます。

ではジュエリーという目線ではどうでしょうか。

 

※人差し指が鉄を用いた「Iron Solitaire Ring K18」

 

貴金属と比較すると鉄という素材には表情豊かな経年変化が生じます。

美しいかと言われればそうではないと感じられる方も少なくないかと思いますが、また同時に鉄の錆などに退廃的な美しさを感じる方もいらっしゃいます。

それは鉄が錆びていくという儚さのなかに郷愁に似たような美しさを見出している事だと思います。

これらはジュエリーという「モノ」の目線からの解釈になりますが、ヒトやコトにもそれは言えると思います。

ポジティブな側面だけでなくネガティブな側面もどちらも肯定したうえで、物事に対峙すること。

つまり、YESとは様々なものに対して寛容であり、時には受難にも対峙しすべてを肯定し許容することが豊かさに繋がるというメッセージが込められたブランドであると私は思います。

 

 

 

 

 

 

次にお客様の中ではすでにご存じの方もいますが、こちらの写真はハヤシ私物の別注リング。※定番になる予定なので気になる方はご注文いただけます。

ここからはブランドとは関係なく、YESの鉄が用いられたジュエリーの美しさを個人的な解釈をもとにつづりたいと思います。

まず、私の中で良い造形物の中にはコントラスト(対比)というキーワードが含まれていると考えています。

光と影、生と死、塩味と甘味、直線と曲線のようにお互いを引き立てあう要素が1つのジュエリーの中に詰まっていること、それにより美しさがより際立つのではないかと。

 

 

YESの鉄のモチーフではそれらが「素材」からアプローチされていると感じています。

宝飾品、高級品とされる耐腐食性にすぐれた「金」や「ダイヤモンド」に、様々な工業製品で使用される「鉄」。

わたしの中では「金」と「鉄」が一つのジュエリーにおいて共存する時、それぞれに相反する素材のコントラスト(対比)を感じるのです。

そして「錆」が生じることによりそのコントラストは見た目にも日に日に強く現れていき、それが美しさへと昇華されていくように思います。

 

この先、私物の指輪が錆びていき、その過程を楽しみながら皆様へジュエリーをご紹介させていただきます。

こちらのblogをご覧いただいた方はぜひ、店頭にてYESのジュエリーをお手に取り触れていただければと存じます。

 

店長 ハヤシ