GIFTED exhibition「MORE THAN WORDS」【Fuligo本店】



GIFTED exhibition「MORE THAN WORDS」

会期:8/5(土)~8/27(日) 9/10(日)※会期延長

会場:Fuligo分室

期中店休日:毎週金曜日

デザイナー在店予定日:5,6

※会期は2023年9月10日まで延長となりました。



増﨑啓起が手掛けるジュエリーブランドGIFTEDによる個展形式での展示販売会を開催いたします。

新作となるロープデザインのバングルやテクニカルなクラスプを開発する事により完成した、オリジナルチェーンであるIMPLOSION チェーンを更に展開したカーブチェーンブレスレット等、新旧さまざまなラインナップが一堂に並びます。

また、本展ではブライダル&ファインジュエリーラインYESの主力ラインナップも併せてご覧いただけます。


「昨年ローンチしたQUAD IMPLOSION HOOP PIERCEをネックレスへと展開したもの」

「2021年にプロトタイプをリリースしていたIMPLOSION CHAINを捻ったカーブチェーンシリーズのアップデート」

「開口部の綻びがディテールとして表現された独自性の伴ったロープバングル」

今展はこの3つの柱をそれぞれ掘り下げたものだと思います。

先ず初めにネックレスについて。

フープピアス&ネックレスはLATTICED ARCHE RING YGSVDで採用した放射状のグリッドラインをペンダントレリーフ全域に反映させています。

このアプローチは所謂「総パヴェ」と言われるような小粒のメレダイヤモンドを敷き詰めた表現をブランドとしての独自性が見て取れるアプローチで展開したものと言え、引きで眺めた時にはレリーフ全面にパヴェのようなダイヤモンドの輝きが目に入りますが、寄った時には格子状のグリッドとエッジの反復による幾何学的なディテールを見ることができます。

ネックレスはアイテム的に着用者のアイコン的な位置付けになる事もありますので、永く自身を象徴するものとして手に取っていただければ嬉しいですね。

次にカーブチェーンについて。

カーブチェーンは2021年にプロトタイプがリリースされていたのですが、留めの機構はシンプルなチェーンパーツのコマにスリットを入れるという、最も基本的でジュエリー史においても数多の前例が存在する構造を採用していました。

全体的なプロポーションとしてはプロトタイプのチェーンブレスレットも大変美しいものでしたが、初見の方がすぐに着脱方法を認識出来るかというとそうではなく、一つの妥協も許さない彼にとっては制作を続けていく以上はいつか必ず越えなければならない山だったと語ります。

唯一、そして最大の難所だった留め具部分を膨大な試行錯誤を重ねて克服したのが本展でお披露目する新カーブチェーンとなります。

『バネや可動パーツを採用したシルバージュエリーはどうしても壊れるというネガティブなイメージがあって今までは敬遠していた』という事を彼から聞きましたが、以前リリースされたフープピアスのヒンジ構造と、実際に着用されている方からの『経年による機構の劣化は見られない』という沢山の報告の蓄積を踏まえ、妥当で的確な構造で作られた金具であれば100年単位の時代をどうやら超えられそうだな』という認識にシフトしたそうです。

社会が成熟したり生産背景が進歩しても流通する商品のクオリティが必ずしも比例していない、といった場面はそこかしこにありますが、ギミックパーツの作り込みに徹底的に乗り組んだ結果、金具を制することができないジュエリーブランドは一流にはなり得ないという感慨に改めて至ったそうです。

他者からの評価を介して自身の道程が誤っていないか・誤っていなかったかをジャッジしてしまいがちな現代社会において、先ず自身の道程を自身で肯定しきれる事こそ彼の物作りへの真直ぐな情熱を表しているのではないでしょうか。

『これを一個人がつくっているのか、、』と思わず疑ってしまうディテールはセンスやデザインといった一言で括るには軽過ぎる根気と努力の結晶です。

実物を手に取る事で彼の生き様みたいなものも感じて頂けると思います。

そしてロープバングルについて。

今年リリースする新作の中で、作り手目線での最も大きな挑戦だったと話すのがこのバングルになります。

今回のロープバングル制作に到った一番最初の動機は「ロープというモチーフが備えている最も美しい”ロープ先端の綻び”がデザインに落とし込まれているジュエリーが世に存在しない」という前提からスタートしました。

開口部はブツッと切ってそのままか何かしらのキャップで蓋をして済ませるという表現が大多数で、確かに彼の言うようにロープの綻びにフォーカスしたようなバングルは検索してみましたがインターネット上には存在しませんでした。

先のネックレスやリングは過去に自身が手掛けた造形を踏襲・研鑚しながらのブラッシュアップ的な位置付けでしたが、こちらのバングルは彼の中で未知なる挑戦であった事が読み取れます。

1を2や3にする事よりも、0から1を作る事の険しさをよく知っているからでしょう。

それがイメージされたものであればあるほど難易度はぐっと上がります。

頭の中に描く理想は一番の敵にもなるのです。

『具体的に今回のバングルはファッションブランドであるクリストファー・ネメスのグラフィックにも共通するロープへのロマンティシズム、偏愛と言いますか。ロープが綻ぶ瞬間の動的な一瞬をソリッドな金属へと抽象化して表現したわけですが、今までで最も出口が朧げな完成イメージを手繰り寄せるためにひたすら手探りでアタックをかけ続けたという具合で「作った」というよりは考えうるありとあらゆるアプローチを試し切った結果が「こう現れたか」というような感慨でした。』 と彼は語っていますが、この言葉からも能動的に本能を泳がせ続けた事によってこの作品が完成した事が読み取れます。


【展示会タイトルを含めた今年の展示へ向けて】

最後に本展について。

展示会タイトルは以前から彼が思案していた「MORE THAN WORDS」が今のマインドセットにぴったりだとの事で決定しました。

これについてこう解説しています。

『昨今は本当にあちこちで底が抜けたなと感じる場面が多いと感じます。色んな人が色んな事を言い合って、話せば話すほどにすれ違って行くみたいな風に見えるのです。僕らがどういう問題意識を持ってどういうレベルのジュエリーを作ろうとしているかはもう作品に十二分に反映されていると思うので、我々はひたすらに実践を重ねて作品の強度を以ってアーティチュードを示し続けるしかないなという決意の表れとして「MORE THAN WORDS」に至りました』

ちなみに「MORE THAN WORDS」というのは80~90年代に活躍したアメリカのハードロックバンドEXTREMEのバラード曲のタイトルを引用しています。

※楽曲のリンクはこちら https://www.youtube.com/watch?v=UrIiLvg58SY


会期は8月末まで続いていきます。

期中追加の品も色々届く予定となりますので何度でも足をお運びください。

※昨年の展示時に行ったロングインタビュー記事。ご興味のある方はこちらもご一読ください。


INTERVIEW<GIFTED designer/増﨑啓起>①これまでの変遷

INTERVIEW<GIFTED designer/増﨑啓起>②素材とオリジナリティ

INTERVIEW<GIFTED designer/増﨑啓起>③理想とするジュエリー


窪田


<Schedule>

8/5-8/27:GIFTED(分室)

8/11-8/31:emme「天然石とレース」(店頭)

8/19-9/3:栗原志歩(分室)

9/9-10/1:シーブレーン時計展(店頭)

9/16-10/1:GERMEDEUR / Kagann jewerly  Exhibition(分室)


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