Kuraishi Takamichi 個展「祈りのジュエリー」【Fuligo本店】


巡る季節

抜ける風

グルグルまわるメリーゴーランド

1mmでもいいし

1°でもいいし

見たことあるような光景だけど

いるところがちょっとだけ変わって

ほんのちょっとが無限に続いていく

ただの環っか。

祝いでも記念でも契りでも

意味合いを乗せるのはそれぞれで

それぞれに正義と美学と正解がある。

人は音の出る生き物で

それぞれに固有の振動数があって

近くで誰かがびぃぃぃーんと鳴ると

んーーーーーっと共鳴が起きる。

静かに静かにただ今いるところで

耳をそばだてる。

そこにいるっていうことの

ただあるという価値

響き合う物と者との

音。

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Kuraishi Takamichi 個展「祈りのジュエリー」

会期:6/3(土)~6/18(日)

会場:Fuligo分室

作家在店予定日:3, 4

期中店休日:9,16

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『意図せず体験してきた事が後出しで好きになっていく感覚が好きなんだと想う』

昨年の個展blogで先の言葉を記した。

今を深める事・今が深まる事は、個人が通って来た過去の密度に比例する。

誰かに持たされたものではなく、気付いたら近くにある当たり前の中に愛しさや尊さの本質がある。

ブレず変わらずそう想う。

モーリス・メーテルリンクの青い鳥的な。

彼はここ数年「変わらない事」をベースに自身の哲学を語る。

移ろっていく人間(着用者)に寄り添っていく事を以前はよく口にしていたが、最近はもっぱらそれを傍観する様な形容が増えた。

寄り添うジュエリーから傍観するジュエリーへの変遷。

そんな事を感じる。

一緒に旅するツールではなく、その人の旅を定点観測するような装置としての役割を重ねているのかもしれない。

キセルの『ベガ』という曲のMVが昔から大好きなのだが、僕個人の中でその映像が重なって見えた。

寄り添う事は、必ずしも共に動いていく事と同義ではない。

彼のつくるもの。

何故だか胸を打つ造形の生命線は金属の厚みに他ならない。

素材の旨味が凝縮されたその佇まい。

「豊かな表情」といった喩えがこれほどまでにしっとり当てはまる造形を僕は多く知らない。

吸いつく様な肌馴染み、心地よい表面のざらつき。

一見何でも無いように映るこれらには、手に取った人にしか分からない「何ものでも無い独自性」が確かに感じ取れる。

今展では金を贅沢に使用した作品も並びます。

どうぞ期中足をお運びください。

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ふと思えば巡る指環のスタートから丸っと7年。

もう8年目に突入したってなもんで

どんどんと洗練されたきたと思うし

まだまだ削いでいけるところはあるだろし

やっぱりあのシリーズはもう自分の中で1つの到達だったようにすら思うと同時に…

まだまだ変わっていくんだろなと思う。

その日のスタイルを作る上でスパイスとして装身具ってあったらいいし必要だろし

このあたりを突っ込んでいくと

ほんとにただの環っかでよくて、それこそが必要だったりして

今度はただの環っかとか言うことすらも余計に思えて

お守りとかオブジェクトとか名札を付けるのも億劫というか

名札を付けると枠が生まれてしまう気がして

仕込みの段階でやりきっておいて

中身を詰め込めば詰め込むほどに、外見は素っ気なくなっていって

あとはそれにただ目がとまる脚がとまる人がいてくれたら嬉しい。

グルグルと回り続けるメリーゴーランドのようで

1mmだけ高さが変わったり

1°だけ向きが変われば

たどり着く世界って変わるし

今展に向けて手を動かす中

なんかわからんけどゴールドとダイヤの強さって間違いないと再確認した

なにをどう言おうとしても勿体ないというか…

ゴールドとダイヤでぶん殴る

という、純粋な素材の強さと強さの掛け合わせのシリーズが出来上がる気配。

※今年よりFuligoスタッフに加わった愛知丈典が制作したインタビュー動画。

ご興味のある方は合わせて以下リンクもご視聴ください。

窪田


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