<2/15-3/2>Nukeme Exhibition【Fuligo本店】

Nukeme Exhibition

2025.2.15 ― 2025.3.2


Nukeme Exhibition

会期:2/15(土)~3/2(日)

期中店休:毎週金曜日

2011年より制作を続けているグリッチ刺繍のシリーズより、過去作から最新作までを展示いたします。

グリッチは「データや機器」の「破損や破損しているが再生可能なデータ」を意味します。

グリッチ刺繍は、コンピューターミシン用の刺繍データのバイナリ(2進数化された情報)を書き換え、針の動きに直接グリッチを起こすことで生み出されます。

今展ではパーカーなどの衣類を支持体とした作品を中心に展開します。

Nukeme

1986年岡山県に生まれ、2008年に服飾の専門学校であるエスモード大阪校を卒業後、上京。ファッションや広告業と平行して、テクノロジーを活用した作品制作にも意欲的に取り組んでいます。2012年には文化庁メディア芸術祭にて審査委員会推薦作品に、2023年には上野の森美術館で開催されたVOCA展2024の出展作家に選ばれました。


関東を拠点に活動するアーティストNukeme(ヌケメ)による3年振り3度目の展示を開催いたします。

会期は2/15(土)~3/2(日)の凡そ2週間。

今展ではコンピュータミシンをハッキングし、人為的なバグを引き起こす事で仕立てられるグリッチ刺繍作品を受注形式で発表します。

サンプルはパーカーベースとなりますが、スウェットやカットソーでのオーダーも承ります。

一度は目にした事があるロゴやフォント、それを破壊しながら脱構築する。

そこから感じられるアンニュイさであったりウィットに富んだキャッチーな印象、使用されたデザインの掛け合わせから想像できる社会風刺的な一面。

『何にも属していないけど、どこにでも類する』

ここには僕が考える一種のお店としての理想像が重なります。

初めてNukemeの展示を開催したのは今から10年前となる2015年。

今振り返ってみるとアングラ・サブカルといった区別でのグループコマ―シャルが一つの終焉を迎える転換期だった様に感じます。

2000年初頭まではメインカルチャーが今よりもう少しはっきりと存在していて、そこに反発する形で発生する多様なカウンターカルチャーが断続的に存在していました。

東京を中心として発生したそれらは名前を与えられ、時間をかけて日本全体に伝播していく。

地震波のP波とS波の様な関係性で続くそれは、振り子を大きく左右に動かしていました。

その後、SNS等の発展・進展に伴いその振り子は動きを小さくしていきます。

例えるなら柱時計が電波式のデジタル時計へ移り変わったようなものです。

伝わる速度や距離の中でローカライズされ、元とは違う特異点が生じる事で発生していた歪みや揺り戻しは平らげられていき、皆がズレの無い平等な情報を同時刻に受け取れるようになりました。

カルチャーが「皆で競う=対人競技」から「個々で定める=個人種目」へ転換したタイミングだったと思うし、蜜月な関係性にあったトレンドとカルチャー自体が分化したタイミングだったとも思います。

「カルチャーがトレンドを作り、トレンドがカルチャーを築く」

時代は、それをただ健気に待たない事と、それが必ずしもセットではない事を覚えた。(「思い出した」の方が正しいかもしれない)

「これが主流だ」と声高に叫べる共通言語の輪郭は現代においてはとても筆弱で、世は個人個人で主とするものが異なる多様性の時代。

主とするもの(共通言語)が定まらない以上、そこに上下は無いしサブも無い。

一つに繋がっていたコマーシャル(陸地)がこの数年でバラバラとなり、大小様々な島々に枝分かれした様な印象を受けます。

そんな現代でNukemeの作品が今後どう捉えられていくのか。

純粋にとても興味があります。

冒頭で述べたように『何にも属していないけど、どこにでも類する』のが彼の作品だと思っています。

「Aの答えはBだけど、CやDでも間違いじゃないし、Eでもまぁ全然いいよ」みたいな寛容さがありつつ、唐突に芯を喰ってかかる皮肉めいた印象もあったり。

このユーモアとセンスが自由に独り歩きしてくれる事を僕個人は勝手に望んでいます。

それぞれによって見え方が変わるものの方が面白いから。

トレンドでもなければカルチャーでもない。

でも、これからどこにでも行ける。

その自由な素振りにお店を重ね、今展が始まる。

窪田

<Schedule>

2/8 – 3/2:kagari yusuke 企画展

2/15 – 3/2:Nukeme

2/15 – 3/9:HIYU HAMASAKI

3/1 – 3/30:GERMEDEUR

3/8 – 3/30:川村晶吾

3/15 – 3/30:nibi


 Fuligo本店

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