<10/14-10/29>J&O SINRA -Achromatic Color Stone-「色のない色石たち」【Fuligo本店】
J&O SINRA -Achromatic Color Stone-「色のない色石たち」
2023.10.14 – 2023.10.29
Jewels and Ornaments SINRAは、大阪市の北のはずれにある毛むくじゃらの犬二匹と人間ひとりの小さなジュエリー工房です。
FGA(英国宝石学協会正会員), GIA GG(米国宝石学会グラデュエイト・ジェモロジスト)のタイトルをもつ石好きの作者が、マニア心を大切にひとつぶひとつぶ選んだ石を使い、一点一点大切に作り上げています。
「この世の有相無相、森羅万象(しんらばんしょう)への祝福」という、遥か遠い壮大なテーマを大真面目に掲げつつ、上質で、シンプルで、ユニークで、そして、「人に寄り添う」ジュエリーをご提案したいと願っています。
丁度一年前にあたる昨年の個展。
多色累々な造形群の中に、黒い石が数点混じっていました。
「色石」といった区分で作品を見た際、先入観からなのか反射的にそのリストから省いてしまいがちな色です。
ただ、彼女の仕立てる「黒」はそういった先入観を根こそぎさらっていくものでした。
『なんだこれ、、』と一人息を呑んだのを鮮明に覚えている。
『黒の石って作り手としては遊びやすいし他にはない強さがある。そして懐がとても深い』
『この場所(Fuligo)であればモノトーンといった縛りを設けた催しも面白そう』
津波の様に押し寄せた衝撃で固定概念が更地と化している僕に彼女がそんな話を聞かせてくれました。
そうした経緯の下に到ったのが「色のない色石たち」と題した今回の企画展となります。
今展では黒~グレーのモノトーン色に限定して作品をご紹介させて頂きます。
過去の展示販売会に比べると、物量としては抑えめとなりますが、一点一点の吸い込まれる様な存在感と妖艶さはそれらを全く感じさせません。
少数精鋭とは正にこの事。
モノトーン系の色石は一般的に価値が付け難く、丁寧に仕上げられるものが少ないと云われます。
作家自身が信頼を置く宝石商と彼女の審美眼、そして何よりそれをジュエリーに仕立てる職人としての技術・感性が相まって初めて目を奪うモノトーンのジュエリーが出来上がる。
そこには価値といった凹凸の無い、ただただ拓けた、純粋に美しい地平がある。
「何もないがある」といった形容に近い。
“白黒付けた区別は他者に委ねる事
もっとグレーに、隔たりなく提議できる屋号としてこのお店が成立していく事
自由を望んでいる癖に漠然とした不自由を飼いならしているのかもしれない
そんな考えが沸点を迎えようかという時に彼女の作品を思い出した”
これは昨年のblogで記した言葉だが、意図せずきっちりこれが戻って来ている。
気付きと底知れぬ高揚感を引き連れて。
それが何だか嬉しくて心が躍る。
月灯りの無い新月(10/15)を経て満月(10/29)に向かう会期。
どうぞ足をお運びください。
J&O SINRA -Achromatic Color Stone-「色のない色石たち」
会期:10/14(土)~10/29(日)
会場:Fuligo店頭
期中店休日:毎週金曜日
窪田
<Schedule>
-10/15 ※会期延長:suzuki yuki 個展(分室)
10/14-10/29:j&o SINRA (店頭)
10/14-10/29:hiroko miyamoto (分室)
11/3-11/19:キタムラマサヒロ個展(分室)
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