<11/22-12/7>suzuki yuki 個展「林檎は横に動かない。」【Fuligo本店】

「分かり易さ」から距離を置きたかった。

全てを見た気になりたくなかった。
全てを見た気にさせたくなかった。

「分からない」が余韻として残るものにしたかった。

全てを知った気になりたくなかった。
全てを知った気にさせたくなかった。

不足に重きを置きたかった。

体感でしか補えないように。
体感でしか真実に行き着かないように。

suzuki yukiによる個展を本年も開催。
今展では去年より加速的に深まったアルミニウム作品をはじめ、昨今更なる広がりを見せるセオリーに縛られない造形の数々を分室一面に並べてご紹介します。



suzuki yuki 個展「林檎は横に動かない。」

会期:11/22(土)-12/7(日)
期中店休日:金曜日

アイザック・ニュートンによる りんごの落下、月の運動話があります。

__ 地球の引力によって引っ張られ物体は落ちる。なぜ、月は地球に落ちてこないのか?

そんな至極当然の日常に疑問の目を向けられる感性を大事にしたい。
騙し・騙され、義理・人情、冒険・旅、宇宙、謎解き、笑い有り、みたいな劇場的な何かを一生の中で作り上げたい。

「どういうこと?」っていう疑問がぶつかって初めて完成するものと出会い続けたい。


「現代の日常生活において<画像>を目にしない日はありません。その二次元・仮想世界で説明しきれない事の一つが重力だと考えています。実際にものを手に取った際の驚きは脳内の思い込みに比例しますよね。
私が作っているのは一種の騙し絵のようなもので、それはずっと自分が重要視してきた <体感を大切にすること>とイコールで結ばれていると思います」

近年、suzuki yukiの作品表現は「重さ」「質量概念」に強い執着を見せている。
アウトラインは膨れ上がり、一瞥では凡そ装具とは思えないものも増えた。
これに伴って作品の見た目と持った際の「重さ」は一層のギャップや意外性を人々へ与える事になる。
直接触れた人間にのみ起きるこの事象は彼女の表現の象徴であり、オリジナリティとも呼ぶことが出来る。

例えば、アルミニウム表現は一見ずっしりとしているが触れてみると面食らうほど軽い。
逆も然りで、他金属表現では想像していたよりも重いと感じるケースも多々ある。
金属は素材によって比重の幅が広いのも特徴だが、この要素をデフォルメする事で彼女の作品は成立している。

重力は存在する全物体の確かな証明であり、私たちが地球上に実在する普遍的な事実だ。
ただ、彼女のアプローチは「恐らくこうであろう」といった想定・固定概念を宙に浮かす。
いや、それに触れた者のみが重さを知るといった意味では「自身の想定がそもそも重さを持っていなかった事に気付く」という表現が正しいかもしれない。

これが作品の価値であったり需要を直接的に高める事はない。
だが、好きも嫌いも善し悪しも、この体験からのみ発露するひとつの真実・発見である事は間違いない。

上下と前後の定義の先に左右がある。
目のある方を前、重力が通った足元を下と捉え、その後ようやく左右が生まれる。

そうして我々は選択という分岐を通じ、重力を伴って個々の核心に近付いていく。

大切にしたいものに理由が欲しいのなら、それはそれぞれの実体験の中にのみ宿ると信じている。

遠くに果実の樹が見える。
右から向かうのか左から向かうのか。
自身にとって最良な道を選ぼうと思う。

どちらの道を選んでも、その樹がそこにあるという定義がある。

林檎は横に動かない。


窪田

<Schedule>
・11/15-11/30:蕨野 知子
・11/22-12/7:suzuki yuki


 Fuligo本店

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