<8/3-9/1> GIFTED exhibition「MANY WINTERS」【Fuligo本店】
GIFTED exhibition「MANY WINTERS」
2024.8.3 ― 2024.9.1
増﨑啓起が手掛けるジュエリーブランド「GIFTED」による個展形式での展示販売会を本年も開催いたします。
本展はインディアンジュエリーやシルバーアクセサリー、所謂コマーシャルジュエリーと称される領域からコンテンポラリージュエリーまでと、四半世紀にわたり横断的な姿勢で制作を続けるデザイナーの現在地を示す内容となります。
往年のパーマネントコレクションに加え新たなアイコンとなる新作群を一堂にご紹介いたしますので、是非期中に足をお運びください。
また、同期中は同デザイナーが手掛けるブライダル&ファインジュエリーライン「YES」の作品全型も合わせてご覧頂けます。
GIFTED exhibition「MANY WINTERS」
会期:8/3(土)~9/1(日)
期中店休日:毎週金曜日
デザイナー在店日:8/3(土)、8/4(日)
今日は死ぬのにもってこいの日だ。
生きているものすべてが、わたしと呼吸を合わせている。
すべての声が、わたしの中で合唱している。
すべての美が、わたしの目の中で休もうとしてやって来た。
あらゆる悪い考えは、わたしから立ち去っていった。
今日は死ぬのにもってこいの日だ。
わたしの土地は、わたしを静かに取り巻いている。
わたしの畑は、もう耕されることはない。
わたしの家は、笑い声に満ちている。
子どもたちは、うちに帰ってきた。
そう、今日は死ぬのにもってこいの日だ。
今展のタイトルはナンシー・ウッドの著作「今日は死ぬのにもってこいの日(原題:MANY WINTERS)」に起因する。
マインドフルネスによる実験と研鑚を繰り返してきた彼がこのタイトルに行き着いたのには複合的な要因があるが、その中の大きな一つとして感じられるのは一種の輪廻転生みたいなものだ。
実際、この本はネイティブアメリカンの死生観や宇宙観に纏わる詩、散文で構成されているという内容で、原著の表題にある「冬」というキーワードは『死の暗示』であると同時に『再生』『蘇り』を意味していて、万物は一度死ぬ事によって生を取り戻すという円環的な思想を記した書だと彼は話す。
一クラフトマンとしてキャリア25年目にあたる今年、もの作りのルーツでもあるインディアンジュエリーの思想に立ち返った作品や主題に円環を辿り戻って来た。
僕個人の解釈を少しだけ加えて言葉にするなら一生は螺旋だ。
真上から見れば同じ位置に見えるが、横から見れば異なる階層にいる。
同じなようでちょっと違う未来を、繰り返す朝晩という円環の中でずっと連ね束ねながら進んでいく。
継続する事は大なり小なりの更新を確実に含んでいる。
ここ数年は新しい形というより、ブラッシュアップに特化したデザインが多かった印象だが、今年は新しい形も登場する。
これは先述の転生にあたる部分な気がしているし、近い場所を通りながら少しづつ異なる場所へ向かう、といった螺旋の性質にも重ねられる。
こう強く想うのは、一歩進む度に自身の後ろ側も堅牢に舗装して来た反芻型の今までと比べ、視線がすっと上がったような、前方への歩を少し多めに取ったような印象を感じずにはいられないからだ。
唐突な新しさではなく、これまでの部分も踏まえた包括的な新鮮さが今回発表される造形には感じ取れる。
「エラーを歓迎しなければ想定の外には出られない」というのは彼自身の言葉だが、これを踏まえるならメタモルフォーゼといった形容・喩えがひょっとしたら一番適切なのかもしれない。
彼の生き方を見ていると、本質として重要なのは単に通った道程ではなく、何を考えてその道を歩んだのかであり、そこにのみ個が実在しうるんだといった感慨が押し寄せてくる。
そして何より、変化を感じ取れるのは視覚的には一瞬だが、そこに至るまでには段階的で些細な変化の連続が認識のずっと手前に間違いなく存在している事を思い知らされる。
太陽の光が地球に届くまでに8分かかるのと同じ様に、僕らの認識は少し遅れてそこに表出する。
一個人の主観でしかないが、恐らく今会期は大きな分岐点になる予感がする。
新しい章の幕が上がるような。
窪田
<Schedule>
8/3~9/1:GIFTED exhibition
9/7~9/29:Chi 個展
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