INTERVIEW<Kagann jewerly designer/Chie Isogai>
Kagann jewerly(カガンジュエリー)はChie Isogaiがデザイナーを手掛けるジュエリーレーベル。
ブランド名は日本語で「花のように美しい顔」という意味を持つ「花顔(かがん)」に由来しています。
今インタビューではブランドの根幹になっている部分やこれまでの経歴に関して話をお聞きした。
制作をする上で大切にしている部分・核になっているコンセプト
Kagann jewerlyでは、デザイナーが過去に訪れて影響を受けた中東やアジアをはじめとする、シルクロード一帯の宗教・神話・文化・街並みなどをデザインソースに「日常の中に溶け込む異国/非日常」をテーマにしたオリエンタルで異国情緒漂う作品を意識して制作をしています。
今の作風に到った経緯
学生時代に長期休暇を利用してバックパッカーをしていました。
当時は金銭的に余裕がなかったため、行くのは東南アジアなどの後進国が中心でした。
そのなかで一番衝撃をうけたのが、20歳になってすぐに行った中東。
当時は9.11のテロが起きた直後で、世界的に中東=悪、というイメージがあったころ。
ですが、訪れた中東はまるでアラビアンナイトの世界そのもの。
神秘的で美しくて人々が優しくて、なのに宗教は厳格で少し不思議でとても魅力的な国々でした。
モスクという日本ではほとんど目にしない宗教建物の素晴らしさや、その時に触れた、絨毯、ジュエリー、焼き物など様々な工芸品の美しさ。
ですが、当時は学生でお金に余裕がなく、現地で何か買うこともできず、悔しい思いをしてそれが鮮烈に記憶に残りました。
卒業後、何か旅に関わることがしたいと切望し、出版社で旅行雑誌の編集に携わり、その後、結婚を機に退職。
ひょんなことから2017年に趣味で彫金教室に通いはじめ、その後、2019年からジュエリーの販売を開始しました。
立ち上げ当初は、シンプルな作風でしたが、コロナを機に販売機会が減ったことからブランドを見つめなおす時間が増え、リブランディングを決意。
「自分が本当に好きなものは何か?」という切り口から、自分の価値観を変えた旅=特に中東やアジアの旅の衝撃をもとに、2021年に現在のオリエンタルな作風にチェンジしました。
物づくりに関していうと、幼少期から絵や小説、漫画を書くなどの、空想にふけるような一人遊びが得意でした。
学校が嫌いだったこともあり「ここではないどこかへ行きたい」という願望が強かったように思います。
高校時代は演劇にはまり、脚本を書くことに没頭しましたが、団体行動に馴染めず退部。
その後大学時代に「”ここではないどこか”の”ここ”は、現実世界にあっても良いのか」と気づき、バックパッカーとなってアジアや中東を放浪。
自分の旅の経験をもとに「旅のなかで受けた衝撃をもとに、何かを作る」ということをしたくて、出版業界で旅行雑誌を作っていました。
そういった経緯に基づいてジュエリーブランドを立ち上げたため、Kagann jewelryというのは、デザイナー本人の、「ここではないどこかへ(この場合は、中東やアジアなどのシルクロード一帯)」という想いを昇華した世界だと思っています。
ジュエリーについて想う事
Kagann jewelryのジュエリーを手に取ってくださる全てのお客様に対して、いつも2つの願いを込めています。
一つは、自分の身や心を守るためのお守り・魔除としてのジュエリーとして身につけてほしいということ。
Kagann jewelryの商品ラインナップには「Evil eye(中東にまつわる目の魔よけモチーフ)」や「Eden(蛇、世界各国で蛇は信仰の対象)」など、身を守るモチーフがあります。
これは、現代を生き抜く人々に、Kagann jewelry のジュエリーを身につけることで日々の生活のなかで心の拠り所となってほしいという願いです。
そしてもう一つは、ジュエリーを身につけることで「昨日と違う自分になりたい・人とは違うように見せたい」という人々が潜在的に持つ願望を実現してほしいということ。
たとえば「Moroccan」や「Lale」シリーズなどはアラベスク模様をテーマにしており、そういった華やかで豪華絢爛なジュエリーを見に纏うことで違った自分を演出して、明日への活力へなってほしいと考えています。
制作におけるこだわりと今後の展望
デザイン面で最終的に目指すのは、マハラジャやスルタンがつけていたようなオリエンタルシックなジュエリーを、現代(日本)に生きる人々のために再構築する、というのがKagannのテーマ。
すなわち、前述のように中東やアジアで影響を受けたためオリエンタルな作風を目指しているが、とはいえご覧になるお客様は、日常を生きる一般の人々(貴族でも王族でもない人々)。
その人たちが、日常的に着けたり、すでに(お客様が)手持ちの他ブランドのジュエリーとも親和性のあるデザインになるよう意識して作っている。
つまりは、過剰にデコラティブになったりしない、日常生活の中でギリギリのラインで違和感をおぼえないジュエリー。
ほんの少し、だがある意味とても際立つように、オリエンタルさを日常に足してほしい、という願いで、デザインをしている。
制作はすべて日本国内。
たまに「インドや中東で作っているの?」と聞かれることもありますが、すべて日本の職人とともに手作りしています。
オリエンタルシックなジュエリーを日本人が使いやすいように再構築することを目指すには、日本人の繊細な色彩感覚やものづくりに対する姿勢が必須だと思っている。
また、和彫りなどの日本の伝統工芸を積極的に取り入れた商品も開発しており、今後の展開も日々思案しています。
Chie Isogai
東京都出身/早稲田大学第一文学部卒
大手通信会社広報・雑誌ライター(旅行雑誌『散歩の達人』『NEUTRAL』『TRANSIT』『ソトコト』、ANA機内誌『翼の王国」『R25』『日経ウーマン』など)を経て、2017年から独学でオリジナルアクセサリーの制作を開始。
その後、東京・銀座にて熟練のジュエリー職人および石留め職人に師事して彫金と石留めを学び、2019年より百貨店催事や展示会、オンラインなどで販売をはじめる。
中東やアジアなど、これまでに訪れた各国の文化を反映した色使いやデザインが特徴。
窪田
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